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作業を脱いで帰ろうと外へ出ると
博文の姿が。
誰かと交渉しているようだ。
「…なんだ?」
俺は少し近づいてみる。
よく見ると交渉、というよりは
挨拶、という感じだ。
博文が何度も男女に頭を下げて握手をしている。
「…ありがとうございます!」
「いえいえ、こちらこそ。
大変な事故の後にこんな無理な注文を。」
「いえいえ、ぜひご期待に応えてみせます!
ほかにもご要望があれば可能な限りお答えしますので。」
《なるほどね~、
…この案件は博文が用意したのか。
あいつ、プロジェクトでどうこう言ってたし…
今回のは車機材ではないから…
そういった新しい事業開拓を任されていたか…?
行き詰まっていたみたいだし、
良かったな。》
俺は遠目に一人で話を聞いてうなずいていた。
そんなことをしていると
博文の前にいた女性が俺の方に。
「?」
「仁さん、先日はありがとうございました!」
「亜実さん!」
博文と交渉していた一人は亜実さんだった。
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