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「はあ…腹減ったあ。もう何時?」
三人を見送り、玄関を締め中に入ると、先に入っていた陽向がソファーにうつ伏せで寝転がっていた。
「えっと…うわっ…9時半過ぎてる…なんか食ってもらえば良かったな。みんな腹減ってただろうな?」
「腹減ってるのは裕太郎くらいだよ。あのバカップルは空気だけで三日くらいいけるだろ…」
「バカップルって…まあ、わからなくもないけど」
寺河さんなんて、モジモジ小動物な裕次郎兄貴にデレデレっぽそうだからな。
「ラーメンでいいか?」
「う~ん…俺は風呂の準備してくる」
陽向は起き上がり、肩をグリグリ回しながら風呂へと向かった。
湯を沸かし準備していると、陽向が『腹が鳴ってる…』と戻ってきた。
「そうだ陽向。裕次郎兄貴と何話してたんだ?」
『じゃあ』と玄関を出かけたのに、裕次郎が戻ってきて陽向に耳打ちしたんだ。
「ナイショ♪」
「あっそ…」
「でも、いいこと」
「ふ~ん…」
準備をしながら答える俺の背後から、陽向はそっと抱き締めてきた。
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