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会社の着き、準備をしていつものように自分の椅子に座ろうとしたら…
「寺河さん、休みッスか?」
寺河さんの姿が見えないことに気づいた。
「さあ。もしかして向こうに送って行ってるのか?」
首を伸ばし、寺河さんのデスクを見る太中先輩と顔を見合わせる。
「すみません、遅くなってしまって」
その時、ギリギリで寺河さんがやってきた。
「寺河くん、珍しいね。君が遅刻ギリギリなんて」
部長が驚いた顔で寺河さんに声をかける。
「申し訳ありません」
頭を下げ、寺河さんは急いでデスクに向かった。
「アイツ…寝グセついてねえか?右の後ろ…」
「へ?……あ、ホントだ。ちょびっと。珍しい…」
「目も赤いし…くくく…ありゃあ、朝まで楽しんでから寝たな。で、寝過ごした」
太中先輩は声を殺して笑っているが、肩がユッサユサ揺れている。
寺河さんだってその様子に気づいたようだけど、バツの悪い顔でこっちを見てから仕事を再開した。
裕次郎兄貴は、間に合ったのかな?
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