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「ふう…」
仕事が一段落し、太中先輩と休憩中。
コーヒーの薫りがたまりません。
「…ごほん。今、いいか?」
そこへ、ぎこちなく寺河さんが顔を強張らせやって来た。
「なんだなんだ?カッテ~よ。カチカチじゃねえか。リラックスしろよな」
「うるさいっ!いや…昨日はすまなかった。礼を言う」
寺河さんは俺達に頭を下げた。
「ちょ…そんなの…」
「そんなの腹の足しにもならねえからいらねえ。上げろ上げろ。慣れねえことすんなって」
太中先輩の物言いに『おまえには確かにそうだな』と寺河さんは頭を上げる。
「陽向くんや裕太郎くんにもよろしく言っておいてくれ」
「了解ッス♪」
俺の反応を見て、少し緊張が解れたようだ。
「んで……どうすんの?これから」
「次の日曜に彼の実家へ挨拶に行く」
俺の心の中では、俺が『よっしゃー!』とガッツポーズを作ったが、太中先輩は心の中には収まらす、大声を上げてガッツポーズをした。
当然、寺河さんにたしなめられたんだけどな。
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