○今日からエロース?②○

59/93
前へ
/1932ページ
次へ
「昨夜のうちに、俺の実家へは連絡済みだ。見合い相手にも断った。今頃は、両家で騒いでいるかもしれないな」 他人事のように話す寺河さんは、すっかり気持ちが切り替わっているようだ。 「裕次郎くんだっけ?聞いてて何も言わなかったのか?」 「彼の入浴中に済ませた。長話はしない主義だからな。要件だけ伝えた。親は何か言っていたが切ってしまったからな」 何て言うか、割り切ると行動が早いんだな。 「まあ、いいけどさ。寝グセつくくらい、昨夜二人で寝過ごすほど激しく楽しんだのか?」 太中先輩の質問に、寺河さんは顔を赤らめ髪を手探りしながら動揺している。 「あ…図星か…」 「おまえには関係ない」 「ええ?いいじゃねえか。こう言うことは隠す方が恥ずかしいんだって」 いや、普通は隠すだろう… ベラベラ言う方が如何なものかと。 「『久しぶりだから、もっとゆっくりしてぇ~』とかあの顔で言われたら、止まんなさそうだし♪」 「それは俺の言った台詞だな」 そう言うと寺河さんは、理解に苦しむ俺達を残し戻っていった。
/1932ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6592人が本棚に入れています
本棚に追加