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その日は仕事も順調に済ませ、定時にピシャリと終わることができた。
いつものように家の近くまで帰ってくると、近くのドラッグストアへ立ち寄り台所洗剤とトイレットペーパーを買い店から出た。
「イケメンは何を持っても様になりますなあ」
不意に声をかけられ振り返ると…
「なんだ、裕典かよ…」
『よっ♪』と裕典が手を挙げ立っている。
「車で来たから送ってやろうか?」
「マジで?じゃあ、これ先に積んでレジまで来てくれ。早くしろよ!」
「は?えぇ!?」
荷物を裕典に押し付け、俺は再び店内へ。
数分後、顔をしかめてやって来た裕典にカゴを渡す。
「今日はポイント5倍dayで、お一人様3個までだったんだわ。歩きだし諦めてたから助かったあ」
「せ…洗剤かよ…それに、まだトイレットペーパー買うのか?」
「ここ最近で今日は全てが一番安いんだよ。消耗品はいくらでも要るの」
ご機嫌の俺を見て、裕典は困惑した顔だ。
「あ、ハルちゃん。やっぱり買うの?」
「友達が車で送ってくれるって」
「よかったじゃない。残念がってたものね」
レジのパートをしている近所のおばさんの言葉に、見られた裕典も笑顔を作るしかない。
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