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「『HEY、兄貴ぃ。YOUの恋人はメンズかい?』ってか?どんなノリで聞きゃあいいんだよ。真面目な話なんて、兄貴とした記憶がねえんだよ…」
「じゃあ男だったら、結局反対するのかよ?自分は味方のような調子のいいこと俺に言っといて!」
だんだん俺も熱くなってくる。
「は?誰も『反対する』なんて言ってねえだろうが!話を最後まで聞けよな!」
当然のことながら、裕典だって熱くなり立ち上がる。
「それならどっちだってこだわる必要ねえじゃねえか!」
「反対しねえけど、色々下準備が必要なんだよ!」
「何の下準備?」
声のした方を見ると、裕太郎が壁にもたれて立っている。
「おまえ…なんでここに?」
「それはこっちのセリフだよ。兄貴こそ何しに来たんだよ?」
話を聞いていたのか、裕太郎は若干裕典の出方を警戒しているようだ。
「俺は…その…天道家の為に肉体労働をしたところだ」
「オーバーに言ってるけど、どうせ、ハルちゃんの買い物袋を持った程度じゃねえの?」
やっぱり裕太郎には敵わないようだ。
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