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裕典はそう言ってバンッとテーブルを叩いた。
「俺が一番ネックだって思ってんのは、いちいち古臭い親父だ。裕太郎もわかってるだろ?考え方から頭の中まで全てが昭和以前なんだぞ。男同士なんて、あの親父の頭の中に入ってねえんだからな」
裕典の言葉に、裕太郎だって自分の今の現状が現状だから、ショックを受けているようだ。
「………なら……そう思うなら、その時は次男として兄貴がまとめればいいだろうが!」
「だ~か~ら~…俺はドッキリの後、いきなり俺に振られても、アドリブで何もできねえんだよ!だから…心づもりをだな…」
「普段、あれだけ“口八丁手八丁男”だって言われてるのに、肝心な時はヘタレーマンなんだな」
陽向にズバリと遠慮なしに言われ、裕典も『はあ…わかってる』と肩を落とす。
「だけど、兄貴が前に男と抱き合ってるの見たから…なんつうか、そう言う風ならそれはそれでいいって…俺としては、美人のお姉様が欲しいけど、兄貴が増えるのも悪くねえから」
裕典のしおらしい様子に、陽向と裕太郎は顔を見合わせる。
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