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「心配ご無用♪いざとなったら、俺が乗り込んで、三角を丸に、黒い烏を白に変えてみせやしょう」
裕典はドンッと自分の胸を叩き、思ったより強かったのか痛みに胸を押さえる。
「一抹の光すらねえな…」
「○すら×にしそうだよな…」
陽向と裕太郎はさらに不安顔だ。
「俺は一応、寺河さんのこと信じてるから、二人はまわりがどうであれ、良い方向になるようになると思うな」
味噌汁の味噌を入れながら俺は横から会話に入った。
「ハルがそう言うなら信じようではないか、諸君」
一番わかっていないくせに、裕典が場を取り仕切る。
「相手の寺河さん?兄貴にいくってことは、元彼か好きな男くらい過去にいたんじゃね?」
「「「えっ…」」」
「裏切ったら、そいつらから弱味になりそうなネタ聞き出してさ…じわりじわりと追い詰めてやろうぜ」
裕典は俺に『誰か、らしき男知らねえ?』って聞き、陽向と裕太郎は顔を背けて知らんぷりを決め込んでいる。
この場の裕典以外、みんか好きだった男がいたのは知ってるけど…
『今はおまえの弟の彼氏ぃ~だよん♪』なんて、とても言えねえよなあ…
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