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その次の日曜日―――
裕次郎兄貴が寺河さんを連れて実家に帰った。
寺河さんを見て『上司の方?』なんて、彼女を紹介するにあたり付添人か何かと不思議に思っていた裕典・裕太郎以外の家族は、座敷で両手をつき、
『大切に育てられた息子さんと、恋人としてお付き合いさせていただいています』
と言われ、唖然…。
『私は裕次郎くんと同じ男です。ですが、彼を心より愛しています。私を幸せにできる人は、裕次郎くん以外いません。どうか、彼と一生を歩むことを許して下さい。一生…大切にします』
と裕次郎兄貴を望まれ、みんな息が止まっていたらしい。
ただ…
ばあちゃんは『でかしたっ!いい男を掴まえた!』って褒めてくれたらしく、じいちゃんも『ユリちゃんが言うんだから間違いないね』って喜んでくれたって。
おばさんは困惑していたものの、経歴とルックスに『家柄のいいイケメン息子が増えるのね』とポジティブ思考だ。
だけど、やっぱりおじさんは顔を真っ赤にして、烈火のごとく怒ったらしい。
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