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『ふざけるなっ!いつから今日はエイプリルフールになった!』
おじさんは“バンッ!”と座敷机を叩く。
『お父さん!俺も本気でこの人を…』
『25を越えても世間知らずで世の中に疎いおまえに何がわかる!世の中は…そんなに甘くも優しくもない!』
『わかってるよ!わかってる…だけど俺は寺河さんと一緒にいたい!ずっと一緒にいたい!!寺河さんが大好きなんだぁ』
裕次郎兄貴がそう叫びポロポロと涙を流しながら手で目を拭う。
『寺河さん…あなたのご両親やご家族はどう言っておられるんですか?』
『我が家へはこれからです。ですが…』
『素直に賛成してくれると思っていますか?』
おじさんは寺河さんに鋭い視線を向ける。
『正直なところ…思っていません。おそらく大反対されると思っています』
『うむ…冷静に考えれば正しい考えだ。普通の親御さんなら、そうするでしょうな』
『はい…』
寺河さんの返答が納得したかのように、おじさんは深く頷く。
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