6592人が本棚に入れています
本棚に追加
『俺は彼、裕次郎くんと…これから先の人生を共に歩んでいくつもりです』
『はあ?寝惚けているのか?よく見ろ、彼は男だ!おまえも男だろ!』
『はい。同性同士です。それが何か問題でも?』
落ち着きすぎている様が気に入らないのか、兄達はさらに烈火のごとくまくしたてる。
『目を醒ませ!このままでは寺河の名前…延いてはテラカワフーズに傷をつけることになる』
『スキャンダルにすらなりかねないのがわからないのか!』
『人として、一人の人間を好きになることが、そんなにも責められるべきことなのか、不思議でしかたない』
表情すら変えない寺河さんに、兄達は裕次郎兄貴を見る。
『綺麗な顔を武器にどうやって弟を騙したのか知らないが、いくらなら縁を切る?』
『えっ…』
『兄さんっ!』
『おまえは黙っていろ!』
寺河さんの制止を押さえつけ、兄達は裕次郎兄貴へと近づく。
『君には悪いけど、弟と別れてもらいたい。今すぐにだ!その為に金を払うと言っているんだ』
『父さんも母さんも…同意見だよな?』
最初のコメントを投稿しよう!