○今日からエロース?②○

81/93
前へ
/1932ページ
次へ
そんな兄達に、 『その申し出は…絶対お受けできません』 裕次郎兄貴が凛としてはっきり答えた。 兄達は気に入らなかったようで、ピクリと頬を引きつらせ、苦々しく裕次郎兄貴を睨み付ける。 『私は確かに男です。ですが弟さんを誰よりも愛しています。それはきっと、ずっとこれからも変わりません』 だが、裕次郎兄貴は顔色を変えず、そんな視線を跳ね返す強い目で、はっきりと兄達や寺河さんの両親に向かって言った。 『ゆ…裕次郎くん…』 大人しく頼り無げですらあった普段の裕次郎兄貴とは違う気迫に、あの寺河さんですら驚いている。 今までこんなにもはっきりと他人に対し主張することはなかったから。 こんなにも、必死に誰かを求めたことなんてなかったから。 裕次郎兄貴だって、持っている力以上の力を出している。 『ですから“いくらで”と私に聞かれても、私の答えは…“いくらでも、別れません”』 『別れないと、こちらが困ると言うことがまだわからないのか』 『私のこの答えは変わりません!こんな私でも必要としてくれている限り、私は一生この人から離れません!』
/1932ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6592人が本棚に入れています
本棚に追加