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「まさか太中と義理の兄弟的立場になるなんて……とにかく淫行条例に触れて捕まるなよ。笑い話にもならん」
寺河さんは言うだけ言い立ち去ろうとする。
「い…いん……こーってな、俺は“まだ”あの子に手を出してねえよ!誰かさんと違って、手が早くねえ」
『ここはハッキリさせておかないと!』とばかりに、太中先輩は寺河さんに詰め寄る。
「俺が特別早いと?」
「自分こそヤルことヤッておいて。当時はまだ未成年だったんだろうが」
「ご心配なく。俺は大学時代までならまだしも、二十歳を越えていない相手とは関係を結ばない」
「うわ~…嫌な言い方…うわぁ~」
『ヤダヤダ』と寺河さんから離れていく。
「言っておくが、彼と付き合うようになって数年経つが、他の誰ともない」
「あったら引いてる…あんなに可愛くて美人な子がいるのに浮気なんて」
そう言うと太中先輩は寺河さんの肩を抱いた。
「一度キッチリ聞きたかったけど…おまえが……なワケ?」
耳元で小声で何か内緒の話をしているようだ。
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