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「それで裕次郎兄貴は昨夜は行かなかったンすか?」
「ああ。また休みに行くつもりをしているようだが…もう俺は寺河と切れようと思っている。裕次郎くんは嫌がるだろうがな」
『自分のせいだ』と自分を責めて責めて苦しむ姿が目に浮かぶだけに、俺も素直になんとも言えない。
それは寺河さん自身もわかっているだろうから。
「片付けが済んだら、直ぐにでも引っ越してきてもらおうと思っている。だから昨夜も思っていたより遅くまで…」
「それで寝不足に…」
頷く俺に、
「か…勘繰るなよ。昨夜は何もしてないからな」
寺河さんが焦ったような声を出した。
「いや、べつに俺は…片付け大変だったんだなあってだけで…」
「すまない。どうも天道といるのに、太中の影がちらついて…俺の顔を見るたびやたらと冷やかすものだから」
太中先輩、寺河さんにどんだけしつこくやってるんッスか…
「また手伝えることがあれば、いつでも言って欲しいッス。人手が必要なときは、ぜひ♪」
「それをお願いしたいと思っていた。裕次郎くんは業者に依頼するのを嫌がるんだ。だからよろしく頼む」
「了解ッス」
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