○今日からエロース?③○

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「兄貴!んなとこに籠ってないで働けよな!」 「俺が出た途端、捨てるんだろ!」 「ったく…なんてめんどくせえ兄貴なんだ」 裕典は扉を蹴飛ばし、ポケットから携帯を出すとどこかに掛けた。 「……あ、義兄さ~ん。裕典ッス」 (義兄さん?あ、寺河さんか) どうも初顔合わせから後に割引き券をもらったらしく、あれよあれよと義兄弟になったようだ。 間違ってはない…よな? 寺河さんも心なしか“弟”が三人も増えて喜んでいるし、今日だって進んで手伝いに名乗りをあげた裕典と気が合っているようだ。 「兄貴が立て籠っちまって……あぁ、なんか捨てるのは嫌だって駄々こねて…」 「なんで電話するんだよ~。ばかぁ…」 部屋の中から裕次郎兄貴の泣きそうな声がする。 「え?いいの?かなりあるよ…ホントに?……義兄さんがいいならそうする……うん、太中さんがいるから大丈夫だよ」 勝手に『大丈夫』とか答えているが、せっかくの休みなのに重労働担当で太中先輩まで裕典に駆り出されたんだ。 裕太郎は『申し訳ない』って裕典に怒っていたけど、当の太中先輩は裕太郎に会えるから喜んでいたんだけどさ。
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