○今日からエロース?③○

4/97
6558人が本棚に入れています
本棚に追加
/1932ページ
「おいっ!義兄さんが全部持って来ていいってよ」 「本当に?」 「ったく、さっさとしろよな!太中さんだって暇じゃねえんだから」 (いや…今の段階で太中先輩は関係ないだろう?) 呆気にとられている俺には気づかず、『太中さ~ん』と家具を運んでいる太中先輩を呼ぶ。 「本当に…捨てない?」 窺うように顔を出した裕次郎兄貴に『捨てねえって』と答えながら、裕典は力ずくで扉を開けた。 「なあぁぁぁ!これ全部かよ?どんだけあるんだぁぁ!」 「捨てないでぇー!!」 「よく床が抜けなかったな…」 裕典の叫びにみんなが集まってきた。 「裕典くん、なんだ?」 「あ、太中さん。ここの部屋の“全部”お願いしまッス」 中を覗き、俺達は絶句… 「あの段ボール…何?」 「あ…あのね…全部…本なんだ…」 「はあぁぁぁ?裕次郎兄貴、これ全部?」 陽向と裕太郎は顔を見合わせる。 「しかも…オカズになるような本が何もない。つまらん…今すぐ古本屋に売って小金を稼ぎたい」 「ダメ!全部思い入れがあるし……思い出の本もあるんだから」 恥ずかしかったのか、両手で顔を覆い隠す。
/1932ページ

最初のコメントを投稿しよう!