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「今日はすまなかったな。今からみんなで食事にでも…」
「ああ、義兄さん。そんなのいいって。それよりあの兄貴の荷物整理しないと今日から生活できないッショ?」
あの裕典が珍しく“遠慮”をした。
「し…しかし…」
「大丈夫、大丈夫。それに俺っちトラックだから早く動かさないと。食事はまた今度ゆっくりさ」
「ええ~!?裕典、ご飯くらい食べに行こうよぉ」
裕次郎兄貴も裕典の腕を掴み食事に誘う。
「食事くらいいつでもできるだろ?家族なんだから、義兄さんといつでも帰ってこいよ」
「裕典…」
「義兄さん。こんな兄貴だけどさ、毎日一緒となると色んなとこ目につくし、頭はすげえいいくせにド天然だから結構ウザい時あると思うんだわ」
裕典は裕次郎兄貴から腕を抜き、寺河さんの方へと裕次郎兄貴を押す。
「色々あると思うんだけど、よろしく頼んます。こんなでも…うちの長男で、俺っち達兄弟やハル達にとっても…大事な兄貴だからさ」
『まだちゃんと言ってなかったから』と裕典は笑う。
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