○今日からエロース?③○

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「格好つけすぎだよな、裕典のくせに」 陽向に言われて『俺もそう思う』って照れ笑いを浮かべる。 「太中さん、お子ちゃま二人連れて先に“男の飯や”行っててよ。トラック返して車とってくるから」 「俺は?」 「ハルは俺っちとドライブがてら一緒に行ってよ。モテない男どもの群がイケメン狩りに来るかもしんないだろ?」 胸の前で指を絡ませてて祈りのポーズで俺に迫ってくる。 「………だってよ、ハル。基本ナビすら豚に真珠、野生的帰巣本能のおかげで家には帰ることができてた裕典だから、一緒に行ってやらねえと日本一周とかやりかねない」 陽向まで珍しく“素直に”裕典に従っている。 「ハルちゃん、こっちは大丈夫だよ。頼りになる太中さんが一緒にいてくれてるからね」 「ゆ…裕太郎くん…」 裕太郎の何気ない台詞に、太中先輩は猛烈に感動しているっぽい。 頭の中で『頼りになる』と『一緒にいてくれてる』が無限ループで再生されてるらしい顔をしている。 結局、二人に押されるように、俺は裕典とトラックで出発した。
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