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トラックが発車してすぐ―――
「ハル…あのさ」
裕典が口を開いた。
「あ?なんだよ?」
「兄貴…やっぱ義兄さん家に反対されたままで、許してもらえてないのか?男同士だから…」
ぽつぽつと小さな声で言葉を紡いでいく。
「…………嘘ついても仕方ねえか。ああ、そうだよ」
「あの義兄さんが、段階踏まずにこんな急に同棲っておかしいと思ったんだ。あっちの家からも二人の関係に了承済みって聞かねえうちからさ」
「頑張ってるみたいなんだけどな。裕次郎兄貴も連日通ってたんだけど、逆に迷惑がられて…行かせない手段でもあるんだわ」
「そっか…サンキュ、正直に教えてくれて」
裕典はたまたまあった公園の駐車場に入り停車すると、深く深呼吸した。
「なんでさ…同性だとダメなんだろうな。男同士の何がいけないんだろ?」
「さあな…俺にも何でかまでわかんねえわ」
「自分の兄貴だけどさ、頭だってすげえいいし、顔だってその辺の女に負けねえくらい超美人で可愛いし、性格だって悪くはないだろ?」
「そうだな」
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