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「天道…いくら俺でも、あれを全部は…」
後ろからの俺達の声が聞こえ、太中先輩が振り返った。
「さすがにまわりの目が気になるッスか?」
「いや…そう言う問題でもないんだが…今日は抑えて三皿くらいにしようかと」
「さ…三皿…太中さんっていつも軽く何皿いくの?豚のしょうが焼き連合会作ろうか?略して“BSYK”」
裕典が楽し気に笑う様子を陽向と裕太郎が振り返って見て、安心したように顔を見合わせる。
「ガチガチの日本語のあたりが裕典だな」
「俺っち、英語わかんねえから」
「だからローマ字…兄貴らしい」
陽向と裕太郎は、そんな裕典に『日本語も怪しいけどな』と笑い前へ進んでいった。
「あ、太中さん。豚のしょうが焼き本当に三皿…ライバルだな」
「何を競いあってるんだよ…」
呆れる俺の目の前で四皿トレイにのせ、後はご飯だけって…偏りすぎだろ。
レジの前で三人が待っており、苦笑して困っている太中先輩を抑え裕太郎が『兄貴、会計早く』と急かす。
「兄貴の奢りな」
「いいのに…」
「ああ、太中さん。こんなでしか返せないけど、俺っちから今日のお礼ね。俺っち、一昨日パチで勝っちゃったから」
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