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「でも…ハルの俺に対する気持ちと、俺のハルが好きな気持ちは違う…」
「うっ…それは…」
なにかが飛び出しそうになり飲み込む。
黙ったまま言葉が詰まっている俺に、陽向は乗っかかっていた体を起こす。
「なんだよ?ったく…ちょっと俺を好きになれよな」
「多少は…前よりはなってるかな?」
「は?胡椒?最後の方が聞こえねえ」
「ああ…いいの、いいの。さあて、洗濯洗濯」
はぐらかし靴を脱いで入っていく俺の後ろから『胡椒がなんなんだ?』とブツクサ言いながらついてくる。
いや、もういいんだけどね…
そのあとは、裕次郎兄貴のことに話をシフトチェンジすると、裕次郎兄貴が大好きな陽向はそっちに夢中になっていた。
とりあえずは一緒に暮らし始めたけど、寺河家に認めてもらえるのは限りなく難しそうだ。
だけど、あの裕次郎兄貴の性格からいくと…
真っ直ぐ過ぎるからなあ。
絶対、このままじゃいないだろうし、寺河さんの知らないうちに実家にお願いに行ってそうだよ。
応援してるけど、具体的にどうってできないことではあるから、俺だって歯痒いんだ。
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