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「そんで、今日休みだろ？裕次郎兄貴はどうしてるんだ？」
「ハルん家行く前に義兄さんに電話したら、兄貴は荷物整理でマンションに缶詰め状態だってよ。義兄さん、兄貴におつかいを頼まれてちょうど出たところだったから話せたんだわ」
「あのクールで沈着冷静な寺河さんが…おつかい………なんか、所帯染みてきたな」
「義兄さんって亭主関白派に見えるけど、意外とさ、ド天然の兄貴が無自覚に尻に敷いてる…ってか…兄貴の惚れっぷりもハンパねえんだけどな」
やっと選んだトイレットペーパーをカートに乗せ、裕典は『ティッシュも買おう』って笑っている。
「兄貴ってのんびりしてっけど、義兄さんてモテるだろうから、囲まれてるのとか見たら嫉妬して拗ねて…ブチキレそう」
「裕次郎兄貴はそんなに懐が狭いかな？」
「あの兄貴はこの熾烈な競争社会を、ほとんど競争せず勝ち続け今に至るんだからな。今まで目に入らなかったことが入り、知らなかったことを知る」
「反動がでかそうだな…」
俺まで心配になってきた。
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