○今日からエロース?③○

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「天才だな…」 おばさん達が去った後、裕典に陽向が発した第一声だ。 「いやあ~♪」 「褒めてないけどな」 「いやはぁ~♪」 「だから、褒めてない」 照れている裕典に、陽向は淡々と繰り返す。 「とにかくだ。ティッシュとトイレットペーパーをゲットだな」 「陽向、昼間ラーメンでいいか?インスタントだけど」 「なら味噌にして。味噌ラーメンが食いたい」 「ゆる~く無視…軽~く無視…いいけどね」 裕典はしょぼんとしながらトイレットペーパーにとぼとぼ向かって行った。 「なあ、ハル…」 「なに?」 「今から30分やるから…会計済ませて裕典と話してろよ。俺はそこの本屋に行ってるから」 陽向は屈んで棚の下段の味噌ラーメンの5食パックの袋を掴みカートに入れた。 「なんで?」 「いくら裕典でも、裕太郎がいなくったって俺には弱いとこ見せたくねえだろ?」
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