○今日からエロース?③○

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『じゃな』と陽向はレジに並ぶ俺達に手を上げ店から出て行く。 「陽向どったの?」 「裕典に気を使ったんだよ」 会計をしながら答える俺に、裕典は『は?』と眉を歪める。 「俺っちに?な~んで」 「陽向なりに裕典のこと思ってるし、まあ裕典相手とは言え、裕典の好きな女性を快く言わなかったから、ちょっと悪かったなあって思ったんじゃね?」 『あの陽向が?』と意外そうな顔で財布を出しながら、首を伸ばし外の方を見る。 「それに、自分がいたら裕典が弱味を見せられないだろうって思ったみたいだわ」 「ちっ…ガラにもないことを。気持ち悪くて余計弱味なんて見せられねえじゃねえかよ」 裕典は口ではそう言いながらも、どこか嬉しそうで晴れやかな顔になった。 「陽向だけじゃなく、俺だって裕典のことは気にしているんだからな」 「愛がありますなあ」 「なきゃ15年以上も付き合ってねえよ。もうすぐ20年だぞ。俺は友達は広く浅く…だけど深い付き合いはこれって相手だけでいいんだよ」
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