○今日からエロース?③○

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カッコよく爽やかにキメた俺に、裕典は『マジかよ?』とモジモジ体を捩らせる。 「あんまり愛のある深い付き合いは…でもハルならいいかなぁ」 「それいいな、試してみるか?」 『ゲッ…』と裕典は後ろへ下がる。 「俺っちはいくら太く短い人生希望でも、あの本屋の中からあれだけ睨まれちゃ…」 振り返ると、本屋のガラス張り部分で陽向がおっかねえ顔でこっちを見てる。 「ったく…アイツもとことん素直じゃねえな…何年来のハルLOVEっ子なワケ?」 「ま…まあな…」 「あれだけ嫉妬深い男ってのも、普通の女が相手だと大変だわ。重すぎる…」 「そんなことねえよ。アイツはあれでも結構繊細で我慢してることいっぱいあるし、優しいとこも……」 トランクを開けながらニヤニヤと裕典が俺を見る。 「ハルも素直じゃねえな」 「うるせえよ!今は裕典の話だろ!俺のことはスルーしろ」 「はいはい♪」 裕典は笑いながら、裕次郎兄貴のことや自分の恋の話を少ししたけど… 「陽向の無愛想で素直じゃねえとこが…やっぱ可愛いのな」 裕典にとっては陽向らしい優しさが嬉しかったようだ。
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