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朝―――
「ん…んん……………ん?」
「おはよう、ハル」
ちょっと腫れた目でにこやかに笑う陽向を、ぼんやり見上げる俺の唇がまたグダグダ…
「朝練か?」
口を拭いながら、腹の上の陽向に訊ねる。
「もう引退したから……ない」
困った顔をしてから俺を見下ろす。
「あ、悪い」
「いつもの時間に目が覚めたから、起きたついでにハルのとこ潜り込んだ」
毎度毎度、全然気づかない俺も俺だよな。
「なあ、朝から何したらいい?」
「何って…う~ん…まだ早いんだろ?寝れば?」
「寝るには中途半端だろ。手伝いをしたいって言ってんだよ」
ちょっと恥ずかしそうな顔を横に向けている。
「じゃあ…何をしてもらおうかなあ。う~ん…」
「なんなんだよ…そんなに悩むこと?」
「慣れなくて…弱ったなあ。あ、ゴミを集めてゴミ出し」
ポンッを手を叩いてやっと閃いた俺に『わかった』とホッとした顔をする。
「これから毎朝何かするから、俺の仕事を決めておいて」
「陽向はとにかく学校を優先しろ。まずそれだ。あとは休みに荷物持ちで買い物に付き合ってくれればそれでいい」
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