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そう言うと、陽向はちょっと不服そうに唇を尖らせる。
「それはそれで、役に立たない居候みたいで嫌なんだ」
「は?なんで居候なんだよ?」
「わかんねえけど…早い話が何かしてねえと落ち着かねえの!」
色々気に入らないようで、ガキみたいに俺の腹の上でバウンドしやがる。
「ぐはっ…ちょ…おまえなあ…」
「俺も家事がしたいんだ」
「家事がしたいって…じゃあ毎朝今までみたいに朝食作ってくれよ…あと、俺より後に家を出るけど、ゴミ出しと戸締まり。随時追加と応援要請する」
陽向は納得したのか、コクコクと頷く。
「んじゃ急いで作ってくる」
嬉しそうに俺に唇を重ね長~いキスをしてから、ご機嫌で朝食を作りに行った。
「いったいなんなんだ、アイツ?なんか気味が悪いな…」
全然解明できない謎に、朝のまわらない頭が悲鳴をあげている。
「もやもやして気分が悪いな。裕太郎にでも聞いてみるか…いやこんな朝早くから裕太郎に悪いよな」
携帯を持ったものの、時刻を見て躊躇する。
「裕典ならいいか。どうせ起きられないだろうから、おばさんが感謝してくれるよな」
俺の中の鬼が笑った。
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