○今日からエロース?③○

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「裕典の犯罪未遂より、俺は裕次郎兄貴がどうしてるか気になるな」 「寺河さんは何も特に言わねえからな。血色は良くなってるし、『最近笑顔が増えたわよねえ』なんて女性陣が喜んでた」 「笑顔が増えて血色良いなら幸せにやってるのかな?俺は裕次郎兄貴が幸せならそれでいい」 目玉焼きを食べながら、どこか安心したように陽向は目を伏せた。 「陽向…おまえさ、朝からこんな話もなんだけど、進路どうするんだ?もうすぐ夏休み前だから俺も学校に行って、先生と三人で話をしなきゃいけねえだろ?」 ドキリとしたように一瞬手が止まった。 「………色々考えてる」 「ならいいけど…頼むから、いきなり先生の前でドッキリ発言はやめてくれよ。前もってちゃんと話してくれ。いいな?」 「わかってるっ!」 苛立たしそうに俺にそう返してから、ハッとしたように俺を見てバツが悪いのか目を逸らす。 「ったく…気にしてねえよ」 「………ごめん」 「ま、朝のこんな最中に聞いた俺も俺だわ。陽向の進路なんだから、しっかり考えろよ」
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