○今日からエロース?③○

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そう言った俺を、何か迷いのある目でじっと見つめる。 「金の心配はするな」 「なっ…ハルに出してもらおうとか、そんなこと思って…」 「もし進学を考えてるなら、奨学金でどうとか考えるなよ?奨学金は本当に必要なヤツの為のだ。陽向の学費くらい俺がどうにかしてやる。足りねえなら、姉ちゃん達に借りる」 何か言いたそうな陽向より早く、俺は言った。 「義兄さんと姉ちゃんだって、陽向のことを一番に考えている筈だ。陽向が望む道を後押ししたいってな。俺だってそうだ。だから悔いのない選択をしろ」 「だけど…」 「間違ってたって、気づいた時にやり直せば良い。間違いなら…人の道を誤ることさえしなきゃ、何度でもな。応援してる…だから、後悔だけはするな。精一杯頑張れ」 俺はそう言ってから時計を見て『ゆっくりしすぎた』と立ち上がった。 ちょっと我ながらクサくて恥ずかしくなったんだがな。 「ごちそうさん。美味しかったよ」 「あ…片付けるから…ハルは行って」 陽向はそう言って立ち上がり。俺を抱き締めた。 「ハル…ハル…」 「どした?」 「ありがと…俺…やっぱハルが…大好きだ」
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