○今日からエロース?③○

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「天道はこのままでいくのか?」 「え?どこにッスか?」 いきなり質問され、俺は首を傾げる。 「義理の甥っ子のままでいいのか?」 「なっ…なにを…」 寺河さんは頷く。 「裕次郎くんから色々聞いた。高校生の頃から陽向くんを育てていたんだな。それには感心した」 「べつに大したことじゃないッスよ。俺の家族ッスから」 「だが、いつまでもその関係でいられるのか?」 色々と“厳しい現実”を痛いほどわかっている寺河さんだからこそ、言葉には上部だけでない重みを感じる。 「俺は…アイツをどこに出しても恥ずかしくない男にすることが生き甲斐だったんスよ…去年の今頃は…」 「今は違うのか?」 「よくわかんないッス…今は、アイツはアイツらしくあって欲しいかな」 「陽向くんの気持ちを大切にはしてやっているんだな」 ドキリとして、俺より背の高い寺河さんを上目遣いで見る。 「裕次郎兄貴…もう」 「彼は陽向くん派だからな。陽向くんが大好きで、弟に近く恋愛対象未満らしい。少し妬けるがな」
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