○今日からエロース?③○

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陽向に手を引かれ中に入ると、 「わっ…陽向が?」 すっかり美味しそうな夕飯の準備を済ませてくれていた。 「冷蔵庫にあった食材でな」 「す…すげえ…こんなの作れるんだ。よく知ってたな?今度レシピ教えてくれよ」 感心している俺から気まずそうに顔を逸らす。 「………ク…クラスの……女子に…聞いた」 「は?」 「家にある食材で夕飯作りたいけど、簡単なレシピ知らないか……聞いた」 「ぶっ…わはははは…」 コイツ、どんな顔して聞いたんだろ? 本人は格好つけて、すまして言ってそうだけど。 女子には料理男子に見えて新鮮だったかな? 爆笑している俺を横目で見ながら『裕太郎とまんま同じリアクションだし…』と口を尖らせる。 たぶん、俺や裕太郎ならわかるような、ドギマギした顔してたんだろうな。 見たかったなあ。 「大変だったんだからな。女子で勝手に盛り上がっちまって『作りに行ってあげるよ』なんて、頼みもしないのに何人も手を挙げて揉め出すし…」 目に浮かぶわ… 裕太郎のヤツ、わたわたやってる陽向を見て、さらに腹抱かえて爆笑してそうだ。
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