○今日からエロース?③○

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「実は…ジイちゃんとバアちゃんが…寺河邸に乗り込んだ…」 「ぶーっ!!」 「あっつ…ハルっ!」 ちょうどテーブルに置いてあった陽向のコーヒーを横取りし、お行儀悪く立って飲んでいた俺は、あまりのドッキリネタに陽向に向かって吹き出した。 「ごめ…いや、マジでか?」 陽向にタオルを投げ、俺はもう一度裕太郎を見る。 「うん…昨日のうちに…突撃してた。然り気無く裕次郎兄貴に家の場所を聞いて…兄貴、まさか行くなんて思ってなかったから、ポロッと大まかな場所を…」 「それでよく探しだしたな…」 「ジイちゃん意外と家探しが得意だし、バアちゃんの野生の勘で自力で辿り着いたみたい」 オーバー70のハンパない馬力に脱帽だ。 「家にはお母さんがいたみたいで、話をしてきたらしいんだ…」 「直談判したのか…すげえな」 「え…と、もしかして…それが原因でこじれちゃったとか?」 「わかんない。だけどお母さんから電話があったみたいなんだ、義兄さんにさ…」 裕太郎は不安そうに、目の前に置かれたコーヒーを飲む。
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