○今日からエロース?③○

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「兄貴、『ジイちゃんとバアちゃんに、いっぱい心配かけちゃったんだ』って柄にもなく落ち込んでるみたいで。さっきこっそり俺に電話があったんだ」 『ふぅ…』と裕太郎も力なく息を吐く。 「孫が可愛いんだろ?それにジイちゃんに『可哀想だよ』って泣かれたってのもあるかも」 タオルで吹き掛けられたコーヒーを拭きながら、陽向は『なっ♪』と裕太郎を元気付けるように笑う。 「テラカワフーズの会社にだって乗り込みかねないからね。あのバイタリティは70代じゃないよ…」 「だからいつまでもパワフルで若々しいんだよ。腕相撲町内一の横綱は伊達じゃない」 陽向に和ませてもらい、裕太郎もさっきより笑うようになった。 「でね、ハルちゃんに今日の義兄さんの様子がどうだったか聞いて欲しいって、兄貴が」 「俺?」 「不機嫌だったり怒ってなかったか…兄貴、心配してるんだ。兄貴が聞いても義兄さんは絶対顔に出したりしないんだって…だから…どうだった?」 心配そうな裕太郎が覗きこむように上目遣いで俺を見る。 くう…図体でかいけど可愛いのな、太中先輩。
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