○今日からエロース?③○

61/97
前へ
/1932ページ
次へ
苦笑いしている陽向に『あるよ~!』とテーブルを叩いて返す。 「昨日の残りだって言うおかずも、これまた美味そうに見えるんだわ。寺河さんがまた、嫌みったらしく美味そうに食うのなんの!冷たいコンビニ弁当が胃も心も冷やすんだ…」 「ハル…僻みすぎだろ…」 若干引き気味の陽向と裕太郎の顔に『ごほん』と咳払いする。 いかんいかん、やっかみ根性で毎日見ているせいか、鬱憤が蓄積され過ぎてる。 「でも義兄さん、勘繰られて嫌な思いしてない?『誰の手作り?』なんてしつこく聞かれてさ」 「寺河さんはうまくはぐらかしてる。だけど、それを見て一部の女性社員はヤキモキしてる」 「なんでヤキモキしてるんだよ?しかも一部って…」 「ヤキモキしてる女性社員は玉の輿狙いだからな。『絶対、お金持ちだけど家庭的で、控え目で清楚な美人の彼女がいる!』って、かたまってはギャーギャーとガチョウの群みたいダベってるわ」 それを聞き二人は吹き出して大笑いする。 「すごいなあ、想像力って。底無しだね」 いやいや裕太郎。 こんなのまだまだだって。
/1932ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6580人が本棚に入れています
本棚に追加