○今日からエロース?③○

62/97
前へ
/1932ページ
次へ
裕太郎が裕次郎兄貴に電話を掛け、今日の様子を伝えたところ、裕次郎兄貴は納得したようだ。 「すんげえ、喜んでた。『明日はもっと張り込んで弁当を作る』ってさ」 「いいなあ…寺河さん」 羨ましがる俺の前に、夕食を準備してくれている陽向が“ドンッ”と荒っぽく湯呑みが置いた。 弾みで中のお茶が溢れる。 「なんなら作ってやろうか?」 「本当に?」 布巾でテーブルを拭きながらちょっと期待してる俺。 だって手作り弁当だぞ? あ~…誰かの手作り弁当なんていつ以来だろ? この際、陽向でも… 「白ご飯に魚の頭をのせた“おかしら付き”弁当だ」 「いや…頭だけしかねえぢゃねえか!尻尾は?」 「頭だけ!“御頭”だけ!しかも生!ふんっ!!」 プイッと顔を背ける陽向の様子に呆気にとられる俺… 「ぶっははは~!陽向可愛い~」 裕太郎は腹を抱えてすんげえ笑っているけど、いったいどのポイントがウケるポイントだったんだろ? 「裕太郎、笑いすぎ」 「ヤキモチ焼いて拗ねてる様が普段と差がありすぎ~。女子は喜びそうだけど?」
/1932ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6580人が本棚に入れています
本棚に追加