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裕太郎が裕次郎兄貴に電話を掛け、今日の様子を伝えたところ、裕次郎兄貴は納得したようだ。
「すんげえ、喜んでた。『明日はもっと張り込んで弁当を作る』ってさ」
「いいなあ…寺河さん」
羨ましがる俺の前に、夕食を準備してくれている陽向が“ドンッ”と荒っぽく湯呑みが置いた。
弾みで中のお茶が溢れる。
「なんなら作ってやろうか?」
「本当に?」
布巾でテーブルを拭きながらちょっと期待してる俺。
だって手作り弁当だぞ?
あ~…誰かの手作り弁当なんていつ以来だろ?
この際、陽向でも…
「白ご飯に魚の頭をのせた“おかしら付き”弁当だ」
「いや…頭だけしかねえぢゃねえか!尻尾は?」
「頭だけ!“御頭”だけ!しかも生!ふんっ!!」
プイッと顔を背ける陽向の様子に呆気にとられる俺…
「ぶっははは~!陽向可愛い~」
裕太郎は腹を抱えてすんげえ笑っているけど、いったいどのポイントがウケるポイントだったんだろ?
「裕太郎、笑いすぎ」
「ヤキモチ焼いて拗ねてる様が普段と差がありすぎ~。女子は喜びそうだけど?」
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