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裕太郎にそう言われ、陽向は顔を赤らめグッとなにも言えなくなっている。
は?
図星なわけ?
「ハルちゃんが兄貴の弁当を羨ましがったりするから…陽向はヤキモチ焼いてるんだ。可愛いよね~」
「裕太郎、喋りすぎ」
バツが悪いのか、陽向は山盛りご飯を裕太郎の前に置く。
「“作ってる陽向像”のリズムが乱れた時、ギャップがあって可愛いから。ハルちゃんもそう思うよね?」
「ま、素な姿はな。昔っから、ガキっぽくねえ生意気なガキのくせに、妙にガキっぽいとこを見せる時は可愛かったな。裕典もその瞬間を狙ってる」
嫌そうな顔をしている陽向を裕太郎は楽しそうに笑っている。
「おまえら二人とも、俺らから見れば可愛いわ」
「格好つけて大人ぶって言われても、ハルちゃんと兄貴じゃ…」
裕太郎、冷静に分析しすぎだろ?
陽向はそれを聞き『確かに』と頷きながら席につき、三人で食べ始めた。
「それはそうと、裕太郎こそ太中先輩とどうなの?」
「えっ…俺?」
裕太郎はドキリとしたように、大きな目をさらに大きくする。
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