○今日からエロース?③○

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昼休み――― 休憩室にどよめきが起こった。 『花見弁当か?』『お節料理より豪華ね…』とヒソヒソ話が聞こえる中、寺河さんは一番隅のテーブルにつき、淡々と紙皿と割り箸を俺と太中先輩に手渡した。 「残さず食べろ。命令だ」 テーブル一杯に並んだお重を見ているだけで胸が一杯だよ。 「いっただきま~す」 圧倒されている俺に反し、太中先輩は嬉しそうに次々と取っていく。 「うっめえな」 「当然だ」 寺河さんも静かに手を合わせ、ゆっくり食べ始める。 俺も遅れまいと急いで食べ始めた。 確かに美味い! 「すごく美味しいッスね。味も濃すぎず薄すぎず」 「言っておく。喜ぶだろう」 寺河さんは誇らしげに頷く。 「つくづく、相手がおまえで勿体無いな」 「うるさい!黙って食べろ」 「完食できるのか?かなりあるのに」 「“完食”の意味がおまえにもわかるだろう?」 そう言われちゃうと俺も椅子に座り直す。 「太中先輩、完食ッスよ」 「天道まで…」 「残ったら報告ッス」 俺達はかなりの用量の弁当を時間内になんとか食べ尽くした。 喜ぶ顔が見たいだろ?
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