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午後の俺は、ひたすらずっしり重い腹部と、油断すると口から旅立ちそうな感覚との戦いだった。
太中先輩はさすがに猛者だから、あと三重はいけるんじゃねえか?
体育会系の部活帰りの中高生に負けない、胃袋と馬力を持っているだろう。
男子高校生を恋人に持つって、ある意味胃袋の格差がありそうだが、太中先輩なら裕太郎に負けてなさそうだ。
寺河さんは表情にこそ出さないが、正直顔色がいいとは言えない。
何人かの目ざとい女性社員が化粧直しも済ませ、『大丈夫ですか?』『お水お持ちしましょうか?』と擦り寄っても眉ひとつ動かさない。
「ありがとう、大丈夫だ」
「心遣い感謝する」
と、当の寺河さんは事務的な答えだ。
申し訳ないけど、いくら化粧で綺麗にしてぶつかっても、今の寺河さんは無理だわ…。
ALLスッピン超ナチュラルど天然美人の裕次郎兄貴にはなかなか勝てないよ。
顔で勝てたとしても、あの寺河さんの惚れっぷりからすると、二人の間には蟻の入る隙間すらなさそう。
あれだけ食べながらも幸せそうにデレッデレな顔されたら、俺も食べずにいられなかったからな。
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