○今日からエロース?③○

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「ただいま」 「おかえり、ハル」 帰宅すると、今日も夕飯を準備してくれているようで、玄関までいい匂いが漂っている。 と…普段なら感じるところなんだけど (やべ……腹がまだ重い) 現実は昼間の弁当がまだ胃で居座っているような状態だ。 「ハル、夕飯準備できてるけど、どうする?」 陽向がパタパタとスリッパを鳴らし、廊下で動けないでいる俺を見に来た。 「あ…ああ、サンキュー…えっと…あ、先に風呂に入っていいか?今日は暑くて汗かいちまった」 「そんな暑かったか?」 「空調の調子が悪かったみたいで暑くて暑くて…」 首もと指でつまみ、パフパフと空気を入れながら俺は重い足を動かす。 「ふ~ん。なら先に風呂に入れよ。背中流してやろうか?」 「め…め、め、滅相もない。一人で入れますです、はい」 不自然な俺を訝しむような目で見てから、陽向はキッチンへと戻って行った。 「昼のが残って腹がまだポッコリ出たまんまなんだ!見せられるか」 今はただ、入浴で意地でも腹を減らそう。 俺だって、陽向の夕飯を残すなんて真似できねえんだからな。
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