○今日からエロース?③○

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「おはようございます」 「おはよう…」 今朝も駅で寺河さんが出待…ち? 嫌な予感… 「今日は弁当はないぞ」 「あ…はい」 ホッとしている俺(裕次郎兄貴ごめんっ)に反し、寺河さんはお疲れモードなのか元気がない。 「昨夜『ちょっと量が多かった』と言ったら凹まれて…」 「あちゃぁ~…」 部屋の隅でシクシクしている姿が瞼に浮かんで、俺まで胸が苦しいよ。 「立ち直ってもらうのに一晩かかった」 「………一晩中ヤッてたんスか?」 「下衆の勘繰りのような物言いをするな」 「いや…足腰にきてそうだし、元気を吸いとられた顔をしてるッスよ」 途端に寺河さんは背筋を伸ばし、自分の顔を触りハリを確かめている。 「元気ッスね♪裕次郎兄貴、意外と体力あるっショ?」 「………意外とな。力も強い。それに、どんな体勢からでもひっくり返されたりと器用なんだ」 「そりゃあそうッスよ。中学くらいまで武道やってたッスから。打撃戦は苦手だったみたいッス。寝技は裕典以上だって聞いてるッス」 寺河さんは初耳だったようで目をぱちぱちさせている。 「負けないようにせねばな」 「頑張って下さいよ」
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