○今日からエロース?③○

78/97
前へ
/1932ページ
次へ
昼休み――― 太中先輩はどうやら裕次郎兄貴弁当を期待していたようで、『ない』と聞いてガッカリした様子。 「余計なこと言ってやるからだ」 ブーブー言いながら、コンビニ弁当を広げインスタント豚汁に湯を入れる。 「落として上げて良いとこ取りだと思わねえか?」 『ふうふう』と豚汁に息を吹き込みながら俺に同意を求めてくる。 いや…俺は中立でいたい。 あと裕次郎兄貴が悲しまなければ、万事OKだから、太中先輩と寺河さんがどうしようがご自由に…だな。 「自分だけ愛情たっぷり弁当で、コンビニ弁当の俺らに見せびらかしてるんだぜ。あ~嫌な性格だぁ~」 太中先輩は挑発的な目で白身魚のフライに箸を突き刺す。 「いつまでもネチネチネチネチしつこいやつだな。そんなに言うなら、自分も手作り弁当を持ってくればいいだろ?おっと…これは失敬。相手がいなかったな」 「ぐぬぬぬ…」 だが、寺河さんがそんなことで動じるはずもなく、逆にクロスカウンターを喰らい白身魚のフライが真っ二つに割られた。 「ごちそうさまでした」 「なっ…天道」 「お二人でごゆっくり」 俺は自分の分をさっさと片付け、二人を置いてその場を後にした。
/1932ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6580人が本棚に入れています
本棚に追加