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「裕典、今晩暇だな」
『は？いきなり何？“暇”確定されてっけど…』
俺は直ぐさま物陰に隠れ、声を殺し裕典に電話していた。
「暇だろ？」
『俺っち今晩忙しいんだわ。いつものお店が新台入れ替えなんだって…』
「わかった、暇だな。うちに来い」
電話の向こうで『オイオイ…』とずっこけているようだ。
『だから新台ぃ～』
「俺にケチを付けられたんだ。行っても負け決定。大人しくうちに来い。陽向の夕飯を食わしてやる」
『……釣りたてホヤホヤの河豚がまるまる出てきそうだな…ギャンブル好きにたまんねえだろ？とか言ってさ』
「うちの家計で河豚なんて出るか！」
思わず叫んでしまい、慌てて回りを見回した。
『わかったわかった。俺っちにハルがケチを付けたから、確かに今日はダメだわ。勝てる気が失せた』
「よし、決定な」
『了解！一度帰ってから行くから。たぶん6時半前後～』
「陽向に言っておく。気を付けて来いよ」
裕典との電話を切ると、俺は次に陽向に掛けた。
陽向は快くＯＫで、裕太郎も呼ぶそうだ。
裕太郎ならこの際いいか。
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