○今日からエロース?③○

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「で……何をやらかしたんだよ?」 食事が始まり、裕太郎が裕典に訊ねた。 「だ~か~らぁ~、俺も何のことだか」 「ハルが裕典絡みだと煩いってことは、どうせあのストーカー女のことだろ?」 「ユッコちゃん?」 ドンピシャリな陽向の模範回答を聞き、裕典は驚いた顔で隣の俺を見る。 「そうだよ、武内さんのこと」 「いや、俺は何もしてねえけど?」 「顔色が悪かったし、裕典の名前出したらやけに動揺してたぞ」 「顔色が悪かった?嘘……体調が悪いのかな…」 裕典も何も知らないのか心配そうに顔を曇らせる。 「本当に何もしてねえんだろうな?」 「たぶん…」 自信なさげな裕典に、さらに心配になってきた。 「“たぶん”って…それじゃダメだろ、たぶんじゃ。無意識の行動が多すぎるんだよな」 「兄貴は頭で考えずに勘と体の反応だけで行動するだろ?それが厄介なんだよ。昔からその時限りの行動をするから、いつも後の祭りになってばっかなんだよな」 陽向と裕太郎の言うことを聞き、必死に思い出そうとしているようだが、やはり思い付くことはないようだ。
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