○今日からエロース?③○

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俺が問い詰め、裕典は必死に考えても考えても…… 「ハル、もう裕典が可哀想だ。ホモ・サピエンスじゃないから、これ以上負荷をかけちゃダメだ。キャパオーバーだわ」 見兼ねたのか、陽向があり得ないくらい優しい助け船を出した。 「陽向ぁ~、助かった。ハル、こえ~んだもん。ありがとうな」 「いやいや」 裕典はキラキラ眩しいものを見るかのように、指を組み陽向を見ている。 「珍しく裕典に優しいのな」 驚く俺に裕太郎は泣きそうな顔で首を振る。 「この二人、本当に高校出てるの?」 「追い出されたんじゃねえか?へたにダブられたって、なんのメリットもないし」 「何をしに学校に行ってたんだよ…」 項垂れる裕太郎を陽向が慰める。 「おい、裕太郎のやつ、何かあったのか?」 ひそひそ声で裕典が聞いてくるが、俺もわからず首を傾げる。 「なあハル、ほぼサイエンスって言ってただろ?算数のことか?」 「俺が知るかよ。理科の専門用語かなんかだろ?」 俺達の会話が聞こえたのか、陽向まで憐れむような目で俺を見る。 「ドンマイ、陽向」 「裕太郎もな」 慰め合ってる?
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