○今日からエロース?③○

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裕典は今にも武内さんのもとに突撃しそうだったけど、『本当に不調なら、ウザがられるかもなあ…』『輪をかけてな』と陽向と裕太郎に言われグッと堪えた。 「あとで様子をお窺いして、明日は突撃する!」 だってさ。 「少しは前進してるのかよ?」 「ハルさん、ハルさん。『少しは』って失敬な」 「距離にすると?」 「う~ん…姿見えないくらいから1mくらいかな?」 みんなあんぐり口を開ける。 「裕典の押しに根負けしたのか?」 「ある意味、兄貴の執拗さに辟易して妥協策としてじゃ…」 陽向と裕太郎は顔を見合わせ、時折チラチラと裕典を見ては何かを話している。 「仲が悪くねえんなら、それにこしたことはねえよ」 「まあね~。今は一緒にいる時がメッチャ幸せなんだわ」 嬉しそうに笑う裕典を見ていたら、武内さんに早く裕典の良いところ気づいてもらいたくなる。 それは陽向も思っているらしく、 「ホント、男を見る目があるんだかないんだかわかんねえ」 陽向が言ったことに、裕典への思いも凝縮されているように感じた。
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