たとえばこんな家族愛

○今日からエロース？③○

次の日の朝――――

「おらっ！ハル、起きろっ！」

いつもならモーニングチュウで、これでもかと言うくらいねっとりねっちりの陽向が、今日は俺の腹に踵落としを食らわせるハードプレイ…

「ぐはっ…なっ……なんだ？」

飛び起き、座ったまましょぼしょぼ目でキョロキョロしている俺の胸に、充電器から外された携帯がぶつけられた。

「いつっ…なんなんだよ？」

「電話っっ！！」

陽向は不機嫌きわまりなくそれだけ言うと、プイッと部屋から出て行った。

「電話？は？裕典か？」

着信履歴を見てビックリ。

「武内さん…何件あるんだよ…」

１０分くらいの間に、ひっきりなしに着信が…

しかも、最近モーニングメールがないことに油断して、うっかりマナーモードにしていなかった。

これだけの着信音を起きる時間の前から隣の部屋で聞かされるわ、着信中の小窓には“武内さん”の名前が表示されるわで、不機嫌にもなるわな。

「はあ……アフターをどうしろってんだよ？とりあえず電話すっか」

寝癖頭を掻き掻き武内さんに電話した。