○今日からエロース?③○

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『はあはあ…』と肩で息をしてそうな武内さんの剣幕だが、俺にはどうすることも… 「ハル!遅れるぞ!!」 陽向がさらにプリプリしながら、俺の部屋の戸を蹴飛ばし下へと降りていった。 それが聞こえたのか聞こえなかったかは知らないが、武内さんも『やだ、こんな時間!』と電話の向こうで悲鳴をあげている。 「とにかく……夕方会ったら?裕典は武内さんがどんな格好でも大丈夫だよ、心配いらないって」 『心配していると言うより、苦痛を感じてるの!』 「なら、『会わない』とか『会えない』ってはっきり言ったら?」 『「今日は会いたくない」って言ったけど通じないんだもの!「遠慮しなくていいよ」とか、もうわけわかんない』 俺だってわけわかんねえよ。 「もうさ…そんなに嫌なら思いっきり嫌われる路線でいけば?」 『なっ…なんで私がアイツに嫌われなきゃならないのよ!?そんなこと言ってないでしょ?私はそこは目指してないの』 武内さんはそう言うと、『今から髪をセットしなきゃ』と電話を切った。 だからどうしたいの? やっぱり、よくわかんねえわ。
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