○今日からエロース?③○

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下へと降りると、陽向はムッスリした顔でコーヒーを飲んでいる。 俺の席には… 「茹で卵?……にしちゃ時間が早いよな」 「………ナマ」 バンッとテーブルにストローが置かれた。 あれですか、『生卵をストローで吸い出せ、それがてめえの朝飯だ!』って、そう言うこと? 「え…と……悪かったな、電話何度も鳴ってたみたいで。起こしちまったな」 「………べつに」 その後の沈黙が重すぎる。 俺が“悪かった”のはマナーモードにしてなかったことくらいだよな? だけど、陽向にすれば電話があったこと事態がアウトっぽい。 「いや、だからさ。俺は陽向も知っての通り、武内さんとは何もないわけでして…」 「それで?」 「俺は何も陽向にやましいことはしてないし、武内さんだって今回は裕典のことで掛けてきただけで」 「ふ~ん」 コクコクと自分だけコーヒーを美味しそうに飲み、俺と目も合わそうともしない。 陽向もイラッときたかもだけど、俺だって陽向の今の態度にイライラッだ。 「はあ、もういいわ。早いけど会社に行く。近くでモーニングでも食う」
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