○今日からエロース?③○

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「はあ!?モーニング?」 「太中先輩とランチに時々行く店に、超美人の店員さんがいるんだわ」 陽向の頬が『超美人の店員さん』と聞いた途端、ピクリと反応する。 (お、気になってる気になってる…) 「『モーニングの時間から入ってるんで、また来て下さいね』って言ってくれてたからな。メニューに美味そうな写真載ってたし、一度は行ってみたいって思ってたんだよ」 さっきまでの余裕をかまし、すましてツーンとした表情が一転、動揺を含んだ顔をしている。 「ガチで俺に気があるっぽいから、サービスしてくれるかも。よし、そうと決まれば済ませること済ませて早く行くかぁ~」 大袈裟に言った俺をキッと見上げる。 「なに?」 あからさまに素っ気ない俺に、陽向は黙って下唇を噛み拗ねた顔で俺を見る。 そして諦めたように立ち上がると、黙って卵を掴み手際よく朝食の準備に取り掛かった。 俺はそんな陽向に吹き出しそうになりながらも、他の用事をし始めることにした。 (あの拗ねた顔…あれを見てみたくて咄嗟に言ってみたけど、どんだけ可愛いんだよ。言ったら怒るだろうな)
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